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WEEKLY OSAKA NICHINICHI NEWSPAPERこれからは「東西軸」が熱い!?

 大阪の大動脈と言えば「南北軸」の御堂筋線。しかし、これからは「東西軸」が熱くなる!?
 大阪・関西万博に合わせ、大阪メトロ「中央線」沿線ではさまざまな開発が進んでいる。様変わりする大阪の未来を整理した。(森陽一)

万博に合わせ、中央線沿線で開発ラッシュ!
地価上昇で注目を集める弁天町
JR大阪環状線「弁天町」駅の新駅舎イメージ(JR西日本提供)
 中央線の開発で、東と西の「結節点」となるのが「弁天町」だ。万博輸送を見据え、JR、大阪メトロともに「弁天町」駅のリニューアルが予定されている。
 大阪市港区役所、JR西日本、大阪メトロらで構成される「弁天町駅周辺まちづくり検討会」は、まちづくりの将来像、未利用地の活用の方向性などを盛り込んだまちづくりビジョンを策定すべく、検討を重ねている。港区役所の細江太郎エリア開発推進担当課長は「市岡商業高校跡地は駅に近接した約2㌶もの広大な土地で長年、未利用になっている。駅前にある低未利用地も含めて有効活用できるよう、区役所としてまちづくりのビジョンを示したい」と話している。 「弁天町」駅付近の「大阪市港区弁天1丁目中央大通」の路線価は前年から10%アップ、上昇率は府内トップとなり、ベイエリアの開発に期待感が高まっている。
日本国際博覧会協会提供
夢洲
大阪・関西万博
― 夢の人工島
 中央線沿線開発の最大の目玉は、何と言っても大阪湾の人工島「夢洲」(ゆめしま)の開発だ。 2025年に「大阪・関西万博」、30年に大阪IRの開業と巨大開発が目白押し。 同地へは大阪メトロ中央線が「コスモスクエア」駅から延伸され、24年度に「夢洲」駅が新設される。 同線は、大阪・関西万博会場へ直接乗り入れる唯一の鉄道アクセスルートとなる。 大阪メトロは、中央線を「東西軸」とし、主要6駅のリニューアルを行っている。
― 水と空のポート
 大阪府は、大阪・関西万博の来場者を大阪城や道頓堀など市内の観光拠点に船で誘客するため、安治川左岸(大阪市西区)に船着き場「中之島GATE」の整備を進めている。海船と川船を乗り換える水上観光の結節点となる。
 大阪市中央卸売市場を目の前に控えるロケーションを生かし、新鮮な食材を使用したレストランの他、グランピング施設などを整備。「空飛ぶクルマ」の離着陸場を設ける計画もある。インバウンドや富裕層をターゲットとしたクルージングプランも作成する。
大阪府提供
阿波座
中之島GATE
  • 大阪市提供
    大阪港
    天保山客船ターミナル
  • 此花西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり協議会提供
    桜島
    USJ隣接地を整備
― 水都・大阪の復権
 天保山では今年春の供用開始を目指し、新たな客船ターミナルが建設されている。延床面積は約5090平方㍍と旧ターミナルの約2倍。将来的には22万㌧級のクルーズ客船にも対応できる施設計画だ。クルーズ客船の母港化、にぎわい創出と集客力強化、天保山エリアの環境魅力向上の3点を軸に世界水準の客船ターミナルを整備する。クルーズ客船が入港することで周辺施設への経済波及効果が期待できそうだ。
此花西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり協議会提供
桜島
USJ隣接地を整備
 中央線沿線ではないが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接する桜島でも開発が予定されている。此花区長を運営委員長とする「此花西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり協議会」は、水辺遊歩空間の整備を行う事業者を募集し、合同会社「桜島開発」を選定。基本コンセプトを「Osaka Sakurajima Resort Gate Park」とし、遊歩道やテラス、ピクニックのできる緑地などを28年までに整備する。
 同社は同エリアの隣接地に大規模ホテルの建設も計画している。今後の一体的なエリア開発に期待が高まる。
― 森之宮がヒガシの拠点に
 次に、中央線の「ヒガシの開発」を見ていこう。大阪城公園の東側に位置する約53㌶の地区で、新たな街づくりが進んでいる。大阪府立大と大阪市立大を統合し、誕生した新大学「大阪公立大」が25年秋、同地区にメインキャンパスを設置する。
 大阪メトロは、同地区にある森之宮検車場内に中央線の新駅を設置する構想を発表している。駅舎は大部分をガラス張りにした球体状のユニークなデザイン。大学と駅をつなぐデッキも設置する。開業は28年春を予定している。
大阪メトロ提供
森之宮
中央線の新駅
NTT都市開発提供
谷町四丁目
難波宮跡整備
― 生まれ変わる難波宮跡
 「谷町四丁目」駅からほど近い、難波宮(なにわのみや)跡に芝生広場やレストラン、カフェなどを整備する。難波宮跡は、古代の宮殿遺跡で、飛鳥から奈良時代の大阪に都が置かれたことを現在に伝えている。
 未整備だった「難波宮跡」の一部と「難波宮跡公園(北部ブロック)」(2・3㌶)の整備・運営事業者が決まり、「大阪・関西万博」開催時には多くの観光客が利用できるように完工する見込みだ。
地価上昇で注目を集める弁天町
JR大阪環状線「弁天町」駅の新駅舎イメージ(JR西日本提供)
 中央線の開発で、東と西の「結節点」となるのが「弁天町」だ。万博輸送を見据え、JR、大阪メトロともに「弁天町」駅のリニューアルが予定されている。
 大阪市港区役所、JR西日本、大阪メトロらで構成される「弁天町駅周辺まちづくり検討会」は、まちづくりの将来像、未利用地の活用の方向性などを盛り込んだまちづくりビジョンを策定すべく、検討を重ねている。港区役所の細江太郎エリア開発推進担当課長は「市岡商業高校跡地は駅に近接した約2㌶もの広大な土地で長年、未利用になっている。駅前にある低未利用地も含めて有効活用できるよう、区役所としてまちづくりのビジョンを示したい」と話している。 「弁天町」駅付近の「大阪市港区弁天1丁目中央大通」の路線価は前年から10%アップ、上昇率は府内トップとなり、ベイエリアの開発に期待感が高まっている。

※週刊大阪日日新聞1月27日号掲載