ファインレジデンス住道駅前-すごい駅前プロジェクト-

NEWS PAPER

WEEKLY OSAKA NICHINICHI NEWSPAPER

これからの街 学研都市線に注目!

JR学研都市線沿線「まちづくり未来ビジョン」策定

大阪の「ヒガシ」が今、熱い。最近の報道で取り上げられる「ヒガシ」は森之宮の再開発が中心だが、本紙はそのさらに東、JR学研都市線沿線に注目した。交通網の拡充を追い風に、「住みたい・働きたい・訪れたい」まちを目指す沿線自治体と鉄道事業者の取り組みを追った。

(週刊大阪日日新聞 記者 森陽一)

「JR学研都市線沿線まちづくり未来ビジョン」で示された「住みたいまちづくり」のキービジュアル

一体的なまちづくり

 大阪府と学研都市線の沿線自治体(枚方市・交野市・寝屋川市・四條畷市・大東市・東大阪市)、JR西日本で構成する「JR学研都市線沿線まちづくり協議会」は今年3月、「JR学研都市線沿線まちづくり未来ビジョン」を策定した。同協議会は2023年8月に設立。大阪全体の大きなまちづくりの方向性を示す「大阪のまちづくりグランドデザイン」で掲げられた、マルチハブ&ネットワーク型都市構造の実現に向け、沿線自治体や鉄道事業者が参画し、一体的なまちづくりを進めることを目的としている。
 同協議会はこれまで約1年半にわたり、沿線地域の将来像やまちづくりの方向性について、議論を重ねてきた。関西で複数の自治体と鉄道事業者が一体となり、まちづくりを協議する取り組みは珍しいという。
 協議会のコーディネーター役を担う大阪府・大阪都市計画局の担当者は「この未来ビジョンを出発点に、沿線自治体やJR西日本はもとより、地域住民や事業者と共創によるさまざまな取り組みを行っていく。それぞれのまちの価値や魅力を高め、〝住みたい・働きたい・訪れたいまちづくり〟を実現したい」と話す。
 今後の取り組みとして、シェアサイクルの広域相互利用や沿線一帯でにぎわいと交流を生み出すフェスティバルの開催、駅周辺への子育て支援施設の拡充などが検討されている。

交通ネットワークの拡充に高まる期待

 「当社の路線でこれからの沿線まちづくりに大きなポテンシャルを秘めているのが学研都市線だ」と語るのは、JR西日本地域まちづくり本部の濵田真太郎さん。その理由として、沿線の交通ネットワーク拡充による利便性向上を挙げる。
 道路では、10年に第二京阪道路が開通し、28年には新名神高速道路の全線開通が計画されている。鉄道では、19年にJRおおさか東線が新大阪駅に乗り入れ、23年にうめきた直結の大阪駅地下ホームまでつながった。33年には大阪モノレールが延伸し、鴻池新田駅に接続する予定。さらに、将来的には松井山手駅西側に北陸新幹線の新駅設置構想もある。

JR学研都市線沿線周辺の交通ネットワーク(JR西日本地域まちづくり本部の資料より)

駅で一時保育

 今年5月には沿線の子育て支援の一環として、JR四条畷駅で体験型の一時保育「駅いく」を初開催。一時保育のマッチングプラットフォームや体験型保育サービスを展開する「あすいく」(東京都港区)と連携し、年中・年長児を「駅の一時保育」で預かるという試みだ。子どもたちは駅構内でのアナウンスや窓口業務など鉄道のお仕事体験を楽しみ、保護者は子どもと離れて日頃の育児ストレスを軽減し、自分時間でリフレッシュしたという。  初開催の場を四条畷駅に選んだのは、JR学研都市線沿線まちづくり協議会に参画し、ビジョンで〝未来を育む子育ての場〟と掲げていることが大きい。今後も自治体やさまざまな事業者と連携し、沿線の価値向上に貢献したい」と話している。

四条畷駅で開催された「駅いく」

JR学研都市線沿線の開発や主な取り組み

東大阪市

大阪モノレール延伸事業

大阪モノレール新駅とJR鴻池新田駅を含む周辺地域のエリア価値を高めるための回遊性向上とにぎわいの創出に取り組む。

大東市

住道駅 駅まち空間の形成

駅周辺のにぎわい創出に向けて、駅と駅前空間を一体的に捉え、ハード・ソフトの両面から公民連携のまちづくりを推進している。

大東市

大東ズンチャッチャ夜市

住道駅前で毎月最終水曜日に開催されるナイトマーケット。地元のお店を中心に約50店舗が出店し、毎回約3000人が訪れる一大イベントとして盛り上がっている。

大東市

四条畷駅 駅前広場整備

交通結節機能の向上や人が滞留できるスペースの創出を目的に駅前広場、立体駐輪場、都市計画道路「四条畷駅前東線」を整備する。

大東市

morineki

老朽化した市営住宅があった約1ヘクタールの市有地を大東市と民間企業が一体開発。都市公園や木造低層の住宅、商業施設、オフィスからなる複合エリアに生まれ変わった。

大東市

送迎保育ステーション

住道駅前から大東市内の保育園に送迎を行う。最長午後7時まで駅前の送迎保育ステーションで預かりが可能で、忙しい共働き世帯に喜ばれている。

交野市

星田駅北土地区画整理事業によるまちづくり

元々は田畑が広がっていた約26ヘクタールの土地に、戸建て住宅と大規模マンション、スーパーやクリニックが入る商業施設、家電量販店などを整備した。